著作権っていつ発生するの? 〜内田樹〜
内田樹(うちだたつる)『街場のメディア論』光文社
- 作者: 内田樹
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2010/08/17
- メディア: 新書
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とてもおもしろく読めた分、どこか全て鵜呑みにしていそうな自分が怖いから。
講義形式の文体だから読みやすいことも理由の一つ。
とりあえず、著作権とレヴィ=ストロースを関連付けた話がおもしろかったのでメモ。
「何かを受け取ったものは反対給付の義務から逃れられない」
「贈与を受けたら返礼しなければならない」
というレヴィ=ストロースのことばから、
著作権は脱稿した瞬間からあるのではなく
読者がありがとう(贈与を受け取った)と認識した時に、
初めて価値が生まれる。
それが「著作権」である。
。
確かに「読んでもらう相手」がいないと、著作権がどうのこうのではない。
今や図書館に配架されることを嫌う著者がいるらしいけれど、
おそらくそんな人たちには、利益追求ばかりで、
将来的に、長期的に「育てる」っていう気持ちがないんだと思う。
なんだかさもしい発想。
「『本を自分で買って読む人』は
その長い読書キャリアを必ずや
『本を購入しない読者』として開始した」
だから図書館のような無料で読める公共機関、お試しの場所が必要なのね。
音楽でも無料視聴とかあるよね。
音楽でも本でもDVDでも、最初はまず無料視聴、貸出から始めて、
「やっぱりこれ欲しいな、何度も見返したいな」っていう「所有欲」がはたらいて
購入に至ったケースがわたしも何度もあるもの。
全てを経済活動でみてはいけない。
長い目で、「育てていく」もの。
教育までが経済活動に飲み込まれたら、こわい。
それくらい20年ほどしか生きてないわたしでも分かるさ。
教育とかの政策って、短期で変えてちゃだめだと思う。
変化させるにしても、少しずつ少しずつ,,,
じゃないと混乱してしまう。教わる側も教える側も。
著作権だけでなく他の項目もおもしろくて、さくさく読めた。
たとえば、電子書籍は買ってタイムラグなしにすぐ読めるけれど、、
書棚に並んだ書籍は「いずれ読まねばならぬ本」であり、
そういう無言の圧力こそ紙ベースの良さの一つであるとか。
これ、よく分かるなー。
わたしも、大学の授業でもらった資料をUSBに保存して
あとからチェックしようと思うけど、
結局、印刷して物体として目の前に置かないと、まず読まない。
読めない。面倒くさい。(笑)
無言の物体の圧力って、あると思います。
(おらおらー、お前が買った(借りたんやろー!はよ読めやー!って感じ。)
内田樹シリーズは読みやすいからこそ、なんだか彼のペースや思考に飲み込まれて、
自分が彼の論に対して疑問をもたなくなっていそうで怖い。
もう少ししたら購入するかもしれない。