けんこう…
とある会社へインターンシップに行った。
そこで特定保健指導としてお客さんに電話をかけているときの話。
私が、
「最近は体重やお腹周りの調子はどうですか?」
ってきいてまわっていたら、
「家が火の車でね、それどころじゃない」、
「買い物行きたいけど行く手段がなくて...」
「腰が痛いから運動なんかできない」
「介護で毎日大変なんだから」
とか言われた。
「ああ、運動指導したくてもそれどころじゃない人がたくさんいるんだな」
って思った。
健康になってほしいと思うけど、
それは太っていてもまあよくて、
毎日楽しく明るく過ごせればそれでいいとわたしは思ってしまう。
運動の効果なんてたかが知れてる。
もちろん運動を通して誰かと仲良くなったとか、
運動してたら前向きな気分になってきたとか、
そういう副次的なものはいいんだけど。
なんだかそういう栄養・運動面からのアプローチでは、
人を健康にするのは難しいなって、実感したのだ。
食や運動の専門家になって、
ある程度の水準の生活を送っている人に、
つまり栄養管理や運動できる環境・体調にある人に対してアドバイスする、
そういう職を選ぶことに納得がいかなくて。
だから、もっと環境からのアプローチがしたいなって、強く思った。
交通整備なり、医療支援なり、介護支援なりの体制を整えるとか、
介護予防とかだけでなく、つい遊びたくなる公園とか、
ごみのないきれいな景観でもいい。
そういう身近だけど日常での床下の力の存在でありたいなって思った。
高水準の人に、
つまり現在プラスである人に、
さらにプラスへとはたらきかけるより、
マイナスもしくはゼロ、0,001とかの人に対して、
より過ごしやすくて生きやすい、
快適な生活が遅れるように、
そういう「生活」に密着したことを仕事にしたくなった。
縁の下の力持ち。
たぶんそんなに影響力はないだろう。
私が入庁したからといって、
直接的に体制をつくる役割や部署に配属されることはまずない。
ましてやその市が劇的に良い方へ変わることがあるわけない。
ただ、自分がそういう仕事に就いている状態が、
そういうものを目指している自分ってものが、好きなだけ。
ただそれだけ。
もしかすると、専門的にアドバイスする職に就いていた方が、
人から感謝される頻度が多かったりキャリアアップしたり、
お給料も良かったかもしれないけど。
仕方ない。
それがわたしの性分なんだもの。
ある程度まで水準がいかない層を基準に仕事をしたい。
高い層を相手にすることの方が簡単だものね。
こんな甘いこといってていいのかしら。
あとから後悔するのかしら。
でもいいのです。
これでいいのです。
こうやって、わたしは生きていくのです。